オールスター:スーパーマン ALL STAR SUPERMAN
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もうこの表紙の優しいスーパーマンの表情だけで個人的には100万点なんですが…(チョロい)
オールスター:スーパーマン
著者:グラント・モリソン フランク・クワイトリー
邦訳:石川裕人 坪野圭介
初めて購入したスーパーマンの邦訳本。もう色んな紹介で名作と聞いていたので内容に関しては全然心配してなかったし「可愛いスーパーマンがたくさん見れれば良いなあうえへへ」レベルのうっっすい下心で読み始めたんですが
え…なにこれ…スーパーマンめっちゃ尊いやん……え……本物の聖人…いや天使か…?(ムッキムキの)天使か………?
あらすじ
誰しもに訪れる死という結末はスーパーマンにも例外はなかった。宿敵であるルーサーの計略により細胞死が始まったスーパーマンは、近く訪れる自分の死に備えてあらゆる行動に出る。
物語は全12話。スーパーマンが達成した12の偉業を追い、彼の生き様と死に様を見届ける一冊。
「スーパーなぼくが死ぬまでにした12のすごいこと」
いろいろ感想
死という題材を扱うと、やけに涙を誘う、どうも湿っぽい暗い話になることが多い中、この本はとても静かで暖かいです。コミカルなシーンさえあり、完璧超人イケメンマッチョなスーパーマンとどじ属性のある眼鏡っ子ぽっちゃりクラークケントの対比は、可愛すぎて泣けてくる程です。
クラスのもさい眼鏡っ娘が眼鏡取ったら超美人の原点はスーパーマンだったんだよ
死を悟ったスーパーマンがとった行動は、そのほとんどが自分の為ではなく、残していかなければいけない地球と人類、自分の親友、家族に向けた行為でした。
万人には無論出来ないことばかりですが、スーパーマンにしてみればいつもしていること…人々を脅かす脅威を退け、街を救い、星を救い、難病を克服する術を探し…。そういったことに残された日々を費やしながら、自分の死後にあらゆる災厄から人類を守る次案を模索する…
良い子かよ。もっと自分のやりたいことしてくれよ
でも、きっとそれこそが彼の「したいこと」だったし、そんな揺らがぬ善性こそ、彼を「スーパーマン」たらしめるものだったのだなあとしみじみ思います。
昨今は「人間に近い」スーパーマンをよく見る気がします。
映画マンオブスティールのヘンリー・カヴィル演じるスーパーマンはよく悩み、スーパーマンの在り方に苦悩する場面も多い。これはこれで、親しみやすく、感情移入しやすい。好きです。カヴィルスプスめっちゃ可愛いし。
逆にこの本のスーパーマンはまったく悩みません。
地球を救うことに重たい責任を感じている描写もほぼなく「とにかく自分はそれができるからやる」という姿勢。見返りも求めず、ただひたすら世界を愛している…私がアメコミを本格的に読み出す前に抱いていたヒーロー像そのものの人物です。
アメコミを本格的に読み出してからはこういうヒーローが実は少数と知った
そういうスーパーマンを読みたい人にはぜひオススメしたい一冊です。
派手に悪役をぶっ飛ばすようなシーンはなく、微妙にSF要素が多い為、超読みやすいとは正直言い難いです。一つ一つの細かい伏線やストーリーに盛り込まれた緻密な計算は解説書で説明もされていますが、スーパーマン誌を熱心に追いかけてきた読者にしかわからない小ネタもたくさんある様子。
でもでも、スーパーマンの優しい眼差しやその真っすぐな心、時に人間らしく泣いた若い頃のクラーク、自分を死の運命に追いやったルーサーとの会話など、ほとんどスーパーマンについて知らない私でもがっつり楽しめました。
ルーサーの筋肉を触らせられてどんな顔をしたらいいかわからないスーパーマンかわいい
やっぱりあの赤パンツって下着認識なの??